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​設立主旨

本会は、薬剤感受性サーベイランス研究会の業務を引き継ぐことを目的として、同研究会同様NPO法人CRECネット下部組織であるひびき臨床微生物研究会の下部組織として、発足させることとした。薬剤感受性サーベイランス研究会同様、全国の医療機関より分離された微生物の薬剤感受性測定を行うことをひとつの目標とするが、通常医療機関では実施されていない、MICの下限測定、遺伝子による耐性菌検索、正確な感受性測定には寒天平板希釈法が要求される淋菌、偏性嫌気性菌の感受性測定などを優先して行うという方針転換を行う。ただし、薬剤感受性サーベイランス研究会の重点目標であった基幹病院のみならず、市中病院、プライマリケア、小児科領域より分離された微生物に関する検討は今後も重点目標として引き継ぐ。

MICの下限測定のデータは希少であり、PK/PDを考慮した抗菌薬選択に有用であり、耐性菌出現抑制につながるデータとなる。また市中病院とくに療養型病床を主とする病院の耐性菌の実態は明らかとなっておらず、プライマリケアを含め、菌株収集、薬剤感受性測定、耐性機序の解明は重要である。淋菌や偏性嫌気性菌の薬剤感受性に関するデータは少なく、カンピロバクターや単純性膀胱炎の起炎菌であるStaphylococcus saprophyticusなど、分離頻度は高いが、感受性データや耐性機序に関するデータが少ない菌種にも焦点をあて実施する。少ない資金を有効活用するため、菌株の収集は、個別の施設よりもむしろ、ひびき臨床微生物研究会をはじめとする各地域の感染症関連研究会組織などと連携し、研究会組織などで収集された菌株を主に利用する。また、将来的には、ワンヘルスの理念に基づき、動物用抗菌薬の感受性や動物由来微生物の感受性にまで踏み込みたいと考えている。また、別の側面として、大学等の研究者や企業の研究者の耐性菌に関する研究のサポートを行うことも使命とし、薬剤感受性測定機器や耐性菌検出に関する機器の評価など、多くの研究に貢献することも目標とする。

2015 年5 月の世界保健総会において「薬剤耐性(AMR)に関するグローバル・アクション・プラン」が採択されたのを受け、2016年4月5日に日本における薬剤耐性(AMR)対策アクションプランが公表された。本研究会のデータは、このアクションプランの目標1 「国民の薬剤耐性に関する知識や理解を深め、専門職等への教育・研修を推進する」目標2「薬剤耐性及び抗微生物剤の使用量を継続的に監視し、薬剤耐性の変化や拡大の予兆を適確に把握する」目標5 「薬剤耐性の研究や、薬剤耐性微生物に対する予防・診断・治療手段を確保するための研究開発を推進する」に貢献することは間違いなく、研究会名をひびきAMR研究会、英名をHibiki AMR Laboratoryとした。

ひびきAMR研究会

 

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